◆ 墓石に使われる石材をご紹介いたします。
◆ 墓 石 材
墓石に使う石材は、大まかな分類として「花崗岩」「安山岩」「閃緑岩」「斑レイ岩」の4種類に分けられます、産地や成分などにより数百以上の種類がありますがその中で、多く使われているのが、花崗岩/御影石になります。
御影石とは花崗岩の総称で、特徴として、硬度が高く比重もあり、風化に強く、吸収率も低いため耐久性に優れているので墓石材として大変適した石材になります。
お話の中でよく、「大理石はないのですか?」と聞かれることがありますが、大理石は石質が柔らかいので屋内向きで、また、酸に弱い性質のため、雨(酸性雨)などで劣化しやすく屋外にある墓石材には向いていないので、大理石を使った墓石はあまり見かけないのです。
石材産出国については、日本産の石材はもちろん世界各国からたくさんの石材が産出・輸入されています。日本産の石材は、福島県・茨城県・愛知県・香川県などが有名で、国内いろいろな所から採掘されています。外国産石材の産出国は、中国・南アフリカ・インド・フィンランド・スウェ-デン・ノルウェ-・フランス・アメリカなどがあり、昨今は、東南アジアのベトナム・カンボジアなどからも新しい石材が採掘されています。
日本産石材も外国産石材もともに人間が作ったものではなく、地球が作った産物です。
石材価格も石材産出国によって大きく変わってきます。先進国ほど採掘経費等がかかり材料価格が高くなり、発展途上国ほど採掘経費等が低く材料価格が安くなりがちですが、石材の質そのものには大きく関係するものではなく、材料価格が安いから質の悪い石材で、材料価格が高いから質の良い石材と言う分けではないのです。また、産出国の国内事情により丁場(石材採掘場)が閉鎖されたり採掘調整が行われ石材材料の流通が滞る事も多くあります。安定した採掘量があり国内情勢が安定していることは、石材材料価格に大きく関係してきます。
個々の石材の材質を考慮しどの石材が地域性に適しているかを考え選択するのが、私たち石屋さんの仕事と考えております。
火成岩について
◆ 花崗岩
花崗岩は、マグマが地下深くでゆっくり冷却され、地中の高い圧力によって形成された石になります。
日本では福島県や香川県、茨城県などが代表的な産地で、含まれる鉱物の種類によって、色や硬度などが異なります。花崗岩は緻密で固いため、風化に強く日本のように四季があり、環境の変化が激しい気候に大変あった石材といえるでしょう。
◆ 安山岩
安山岩は、マグマが地表付近で急に冷えて固まるなど,主に火山活動でできるマグマが急速に冷え固まった火山岩です。
花崗岩に次いで墓石に使われる石材です。神奈川県産の『本小松石』や宮城県県産の『伊達冠石』が有名です。
◆ 閃緑岩
閃緑岩は、マグマが地下深くでゆっくりと時間をかけて冷え固まった深成岩で、硬く劣化に強いため、風化しづらく墓石に向いています。磨くと光沢が出るので、高級感のある墓石に仕上げたい方におすすめですが、国内での採石量は非常に少ないため、たいへん高価な石材として知られています。岡山県産の『矢掛青石』が有名です。
◆斑レイ岩
斑レイ岩は、マグマが地下深くでゆっくりと時間をかけて冷え固まった深成岩の一種で、閃緑岩よりも黒みが強く、『黒御影石』とも呼ばれます。風化に強く、長持ちするのが特徴で、石の種類にもよりますが、磨くと光沢が出やすく高級な印象を与えます。福島県産の『浮金石』や『中山石』が有名です。
◆こちらのサイトで、火成岩について詳しく紹介していますので、興味のある方はどうぞ。
参考資料として
参考資料として
石材の紹介などで、見掛比重・圧縮強度・吸水率 が比較データとして記載されているのをよく見かけますが、何を比較したら良いか迷うことがあると思います。あくまでも私的ではありますが、石材比較データとしては、吸水率の数値を参考にするのが良いかなと思います。
吸水率とは、石材がどれだけ水分を吸収しやすいかを表す数値になります。吸水性の数値が高いものは、比較的に水垢やコケなどのトラブルが発生しやすくまた、石面の艶落ちが早い傾向にあると思います。吸水性の数値が低いものは、石面の艶持ちもよく水垢やコケが付きにくい特性があると私は考えますが、吸水性が高くても、排水性(浸み込んだ水分が石の中からぬけていく事)が高い石と低い石でもその特性は大きく変わってきます。吸水率が低い石の目安は、吸水率0.1%以下と言われていますが、石は水を吸います水を吸わない石はありませんから、数値はあくまでも参考程度で考えてもらえれば良いと思います。
そのほかの数値(見掛比重・圧縮強度)は、どちらかと言うと私達石屋さん側、加工者に関係する数値になるので、あまりお客様が石材選択の比較数値として考える必要はないかなと思います。
どちらかというと、お墓を建てるエリアの地域性・気候性が大きく関係していると私は考えます。乾燥した地域や雨や雪などが多く湿度の高い地域 や温度差が激しい地域など、お墓を建てる地域に合った相性の石材の選択が大変大事になると考えますので、専門業者/石屋さんの長年の経験からされる、石材選択が非常に重要になるわけです。相性の悪い石材を選択すると当然トラブルの原因になりますから。
当サイトでは、石材紹介のペ-ジでは、吸水率のみ比較数値として記載しておりますが、全ての石材の吸水率が記載されてはいませんのでご了承ください。見掛比重や圧縮強度など、もし気になる方は、下記外部サイトにて詳しく紹介されていますので、どうぞ参考にしてみてください。
<石材物性デ-タの試験方法>
◆ 吸水率
図に示すように石理を水面と平行にし、かつ上部1cmを常に水面上になるように浸水して、20℃±3K(20℃±3℃)で多湿の恒温室内に置く。48時間経た後取り出し、手早く浸水部分の水をふきとり、直ちに質量を量り、吸水時の質量とする。
吸水率は、次の式によって算出し、試験体3個の平均値をもって表す。
参考資料として
◆ こちらのサイトで石材の事を詳しく紹介していますので、興味のある方はどうぞ。
※ 当サイトで紹介されている石材は、代表的な石材になります。記載されている石材の中には、現在、丁場/採掘場が停止し石材の産出が行われていないものもたくさんありますが、原石の在庫があり対応可能なものも多数ありますので、お気軽にご相談ください。